たこ焼屋「八笑来堂(やわらぎどう)」(2)

 さて、店名が「末広がりに笑いがやって来る → 八笑来堂」と決まったところで、次に店舗のデザインテーマをどうするかという話題になりました。当初、別のところから “相田みつを風のへたうま書き殴り文字” を使ったデザイン案が出されていたのですが、今さらこれはないなぁというのがぼくの感想でした。せっかく店名も「笑」をテーマにしたのだから、店舗のデザインも「笑」が感じられる方がいい。そこで思いついたのが「落語」でした。
 
 落語というのは日本の伝統芸能ですから、その和風な仕立てがたこ焼屋にもピッタリきますし、なによりそのお手軽感がちょうどいいと思ったわけです。同じ伝統芸能でも歌舞伎というとちょっと敷居が高くなるのですが、落語はもっと庶民的な感覚で楽しめます。「今日は仕事が早く終わったから、ちょっと寄席でも見ていくか」と「おっ、たこ焼を焼いてるな。ちょっと食べてくか」って似た感じじゃないですか。このお手軽感がB級グルメであるたこ焼に合うと思ったのです。それでいて落語は着物とか扇子、手ぬぐいといった粋な小物を使っていますから、ちょっと工夫すればオシャレに見せることもできます。これほどいい素材はありません。

 というわけでお店のデザインコンセプトを「落語」と決めたわけですが、落語というとほとんどの方が笑点を連想すると思います。個人的にはぼくのもっている落語のイメージと、笑点のそれとは少し違うのですが、一般的にはやはり笑点がわかりやすい。そこで、落語というコンセプトのシンボルとしてスタッフの笑点風似顔絵をつくることにしました。ついでに芸名も「八笑来亭 笑平」とか勝手につけて、(マジメに落語をやってる方には申し訳ないのですが)まず自分たちが楽しめるようにしました。ちなみにぼくの場合は涼水屋という自分の会社がありますので、八笑来亭ではなく「涼水家 ぽん蔵」としました。これを名刺の裏に印刷して配っています。将来的には、ときどき本物の噺家さんを呼んでお店の前で臨時の寄席を開いたりできればいいと考えています。



 
 
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